w/ 008 SO
type: space
function: residence
location: setagaya, tokyo
site: 385m2
collaborator: coming soon
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東京という場所を都市と呼ぶのには抵抗がある。都市に集まって住むことを考えるのであれば、現在の錯乱し続ける空間のかたちの組織化に対して、何かしらの対策を考えてみなければ、わたしたちは都市に住んでいると言うことはできない。(*1)
集まって住むための合理性と快適性は、狭小な敷地に居を構える場合は特に、トレードオフの関係にある。あるいは、その土地や家屋を資産や事業として捉えれば、事情はより複合的なのは明らかであるし、さらにその建物を建築として、プロジェクトとして捉えるのであれば、尚更である。
わたしたちは東京の小さなマンションの内装計画から、建築レーベルをスタートした。都市には変化に対応できるフレキシビリティがあるはずである。そのフレキシビリティは間取りが変更可能であるようなフレキシビリティではなく、さまざまな場所が存在する、というフレキシビリティである。(*2)
インテリアの領域において、ポテンシャルを感じていたのは、そんな移動可能性が、東京をメトロポリスに仕立て上げているからである。つまり、土地や場所に根ざさないことを可能にするのが、メトロポリスの条件である。
今回のプロジェクトは、土地に根ざすことを夢見るクライアントのためのプロジェクトであり、都市的な条件を再考するための、ポスト-メトロポリスのための、「準拠体としての建築」を考えるための試みである。(*3)
*1 – 都市を捏造すること
*2 – 室内のための軽やかな型を目指して(jt2406)
*3 – マッシモ・カッチャーリ「都市の政治哲学をめぐって」
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通り芯のための通り芯
クライアントとの慎重な協議の結果、小さな敷地を2分割し、一方に二世帯住宅を、もう一方を共同住宅とすることにした。そこで、一本の分割線が敷地内にあらわれることになった。
日影規制、路地状敷地の制限など、法規上の観点、あるいは周辺環境を含めた敷地形状を踏まえて、その分割線は一方の敷地形状を3辺の比を3:4:5とする直角三角形とするように土地を分割することで、もう一方の敷地に45°の補助線を引けることを発見した。すなわち、分割線を補助線とし、補助線に並行な通り芯を設定することで、一方の敷地には3:4の比率のグリッド、もう一方の敷地には1:1の比率のグリッドを設けることができるようになった。
この通り芯のための通り芯は、いくつかの合理的な判断から導かれ、実際のところ、中庭を用いた通風や採光、敷地形状を鑑みた眺望といった観点からも有効であるように思われた。ある一本の自律的な線が、周辺環境という他律性を強調し、再度自律的なグリッドをうみだす。ここまでが基本計画の前提であるし、このグリッドを用いたボリューム配置は、永続性やモニュメント性を想起させる都市的創生物の予感があった。(*4)
周囲は戸建ての住宅と共同住宅が入り乱れ、土地の分割化も進んでいる。斜めの分割線は一見突飛なようにも見えるし、敷地形状から導かれているようにも見える。緻密な計算に基づいて決定された配置のようにも、適当にそこに置かれたような配置にも見える。これはいくつかの合理性が複合的に関連し合っていることから、そう見えるのだと思う。凡庸さも含めた不均質性。(*5)
*4 – アルド・ロッシ「都市の建築」
*5 – ヘルマン・チェック「変容のために」